研究テーマがおおよそ決まったら次は文献検索と検討を行いますが、「文献」とは、学術誌に掲載された論文やレポート、専門誌の記事、書籍などを指します。このような先行研究の内容を探し出して読み、確認する作業のことを文献検索・検討といいます。
文献検索・検討の目的は主に2つです。
まず1つ目は「同じようなテーマで既に研究されている文献がないか探すこと」です。考えている研究テーマや疑問に対する答えが既に先行研究によって明らかにされているのであれば、改めて同じことを研究する必要はありません。「いいテーマが思いついた」とポジティブな気持ちで研究を進めていたのに、実は同じような研究が以前から行われていることがわかったらそれまでの時間と労力を無駄にした気持ちになり、つらくなってしまいます。この研究テーマで進めてもいいかどうか、最終的な判断を下す前に、必ず文献検索と検討を行ってください。
2つ目は「活用できる先行研究やデータがあるかどうかを調べること」です。先行研究を確認することで、検討しているテーマについて何が「わかっている」「わかっていない」のかを知ることができます。自分が考えているテーマと同じような内容の研究が既にあっても、研究条件や被験者などが異なるものが見つかるかもしれません。そのような場合、先行研究から何がわかっているのかを踏まえて違いを調べたり、わかっていない部分を補足したりすることができます。
文献検索でよく利用される代表的な検索ツールを4つ紹介します。これらのウェブ検索を利用すると「論文やレポートのタイトル」「抄録(研究の目的、方法、結論などの要約)」「いつ・どのような雑誌に掲載されたのか」などを調べることができます。これらを手がかりにして自分のテーマに関連しそうな文献を検索してみましょう。
医中誌Webは中央医事出版社が運営する有料検索サイトです。国内でプレゼンされた約1,400万件の医学論文を検索できる、いわば国内の文献検索の代表格です。看護関連の雑誌・学術誌の文献も充実しています。同義語も含めて検索できるため、検索に不慣れな人でも簡単に利用することができます。
日本看護協会が運営する検索サイトです。国内で発行された看護系雑誌から、看護実践・研究・教育に関する文献を検索することができます。データベースが看護分野に特化しているので看護研究に初めて携わる人も使いやすいでしょう。
無料の検索サイトを使用する場合はGoogleの検索サービスの1つであるGoogle Scholarがおすすめです。医学・看護学の文献を多く含む様々な分野の学術論文をウェブ上で検索することができます。論文のプレゼン時期を指定して絞り込むことができ、「PDF」と表示されている文献は全文をダウンロードすることも可能です。
国立情報学研究所が運営する学術情報データベースですが、こちらも無料で利用できます。国内の学術雑誌や学会の刊行物・論文、全国の大学図書館が所蔵する資料の情報を検索することができ、「詳細検索」「全文あり」を選択することで、検索対象を絞り込めます。
パワポで資料を作成する前にスライドの数を確認しておきましょう。作り過ぎを防ぐことができますし、どのように要点をまとめていけばいいのか、整理しやすくなります。
看護研究計画書を作成するコツを研究のテーマや目的、研究の方法など項目ごとにまとめています。基本的にこれまで整理してきた内容をまとめるだけなので難しいことはありません。
文献検索・検討を行うことで同じような研究が行われていないか、活用できるデータがないかを調べることができます。最終判断を下す前に必ず行うようにしてください。